2015-09-07 06:51:00
B型人間の山歩き
日帰り登山の持ち物ガイド
日帰り登山の服装ガイド
登山の服装・持ち物チェックリスト
当日の休憩時間を除く歩行時間
駐車場 (30分) タツミ沢入口の分岐 (1時間15分) シジミ沢入口 (2時間) 御前ヶ遊窟頂上 (2時間15分) タツミ沢入口の分岐 (30分) 駐車場
9/5、阿賀町の奥の新潟福島県境に近い、御前ヶ遊窟(ごぜんがゆうくつ)という岩山に登ってきました(国土地理院の地図はこちら)。登山愛好者の間では知られる、チャレンジングなスラブ(平らな岩の坂)を擁する岩峰の山です。
磐越道の津川ICを降り、たきがしら湿原方面に向かいます。下の画像は道の途中で現れた看板。「御前ヶ遊窟」の文字もあります。
こちらは丸渕観光わらび園にある看板。結構重要情報が書いてあります。案内なしで初めて行く人には役立つことがあるでしょう。私はネットでこの地図を見て、印刷して持って行きました。
たきがしら湿原に近くなってきたところで、分岐を左(南側)に入ります。
下の地図のマーカー「A」のあたりから、南側に入る道がついています。
そしてその林の中の道を100mほど行くと、
行き止まり(上記地図B地点)が、これくらいの駐車場になっています。
この日は御前ヶ遊窟を訪れたのは私一人だったようでした。
駐車場奥に注意の看板と、登山者名簿を書くところがあります。私も念のため記入。
「御前ヶ遊窟は、急峻な岩場などが連続する上級者向けの山です。」
とありますが、この言葉に偽りはありません。
岩場から落ちたら死ぬかもという点では八海山の八ツ峰の方が危険です。でも御前ヶ遊窟はそんなに危険なところは頂上以外はありません。でもいろんな面で微妙に難しく、確かに間違いなく上級者向けの山です。
今日はこの靴で歩きます。
海釣りで使う、スパイク長靴です。事前にネットで調べたところ、シジミ沢までのアプローチがぐちゃぐちゃだとか、途中沢を渡るところがあるとのことだし、岩場の登りだってスパイクならどんな靴底よりも強力だろうと思ったからです。
一応いつも履いている登山靴もザックに入れて来ました。状況によっては履き替えるつもりです。
まずは樹林帯歩き。
「御前ヶ遊窟 頂上登り口」の立札。
夏草で覆われた道(これがなかなか厄介)を下り、鍬ノ沢(くわのさわ)を渡渉します。
この日の水量なら、登山靴でも場所を選べば渡れそうでした。私は長靴なので楽勝~
沢を渡ると赤テープがありました。
御前ヶ遊窟を初めて巡るには、この赤テープが頼りになります。
この先、ルート上には必ず赤テープがあるので、どっちに行けばよいかわからないときは周囲を見回して赤テープを探します。わかりにくいところには、必ず赤テープがあります。これはある意味すごいことでした。
ところどころ道が崩れかけていて、通過にちょっと注意が必要なところもありました。まぁそんなのは山の中ではよくあることですが。
ツリフネソウ
今日はショートパンツにサポートタイツ、半袖シャツにアームカバーです。トレッキングポールとグローブも毎度のアイテム。
いつもと違うのは登山靴でなく、長靴ということだけ。沢だろうが泥道だろうが、どんなところでも気にせず歩けるので楽です。こりゃいいわ。この日のシジミ沢までの道では、ぐちゃぐちゃでひどいところはそれほどなかったですね。
タツミ沢入口の分岐に来ました。ここまで駐車場から30分。戻りも30分でした。
行きはこの道標を左へと進み、帰りは道標の右の道を上がって来ます。両側とも夏草に覆われて道が見えませんね。
ここに御前ヶ遊窟周辺の地図があります。役立つ情報もあるので、私はこの地図を事前にネットで調べて印刷して持って行きましたが大いに役立ちました。
(クリックすると大きくなります)
進んでいきます。
しかしね、夏草がひどいところが時々あるんだなこれが。
(さて、道はどこでしょう?)
右側に岩山の壁が見えてきました。
岩山がずっと続いています。こういうところは最近行ってないのでうれしくなります。
しかししかし、夏草が。
(こんもり盛り盛り)
今日ばかりはトレッキングポールを持ってきてよかったと思いましたね。よかったと思ったところ。
①夏草をかき分けたり、見えない道を探りながら歩くことができる。
道が見えないので、踏み外したりしないか怖いんですが、ポールで確認しながら歩けば安心感があります。
②クモの巣を払うのに便利。
歩く人も少ないのか、かな~~りクモの巣が張られてましたね。
③ヘビを追いやるのに便利。
ヘビは3匹現れました(ほか、トカゲ、カエルなど多数)
秋になって紅葉シーズンに人が通るようになれば、草も枯れるでしょうしこの草も気にならなくなるのでしょうね。
ナツエビネ。
御前ヶ遊窟の鋭い岩峰群が見えてきたら、シジミ沢出合いはもうすぐです。
大きな岩の手前を右に下りるとシジミ沢の出会いです。
沢の向こうに赤テープが見えます。この日の水量なら、普通の登山靴でも簡単に渡れる感じでした。
左に滝があります。
本格的な登りに備え、ここで帽子からヘルメットに替えます。
さて、ここからクライミングになります。登り始めたら、左側に行きます。道なりに右側を行くと大岩ゾーンで難しすぎて(おかしいな?)と思ったら、案の定正しい道は左手にありました。
とにかく赤テープをたどります。赤テープをたどって行けば間違いありません。
難しいところには虎ロープやクサリがあります。
この樹林帯は岩がゴロゴロしている上に結構な急斜で、なかなかワイルドなところでありました。
そして樹林帯を抜けました。右側に虎ロープが配置されているので、これをたどっていくと安心です。
とりあえず岩の上を立って歩いてみます。
岩はざらついているので、普通の登山靴等であれば滑ることはないように感じました。
しかし、立って歩くには微妙~に不安な勾配で、右側のロープを頼りました。
四つん這いで岩の上を上がっていくのも面白かったかもなとは、家に帰って来て写真を見て思い起こしました。
御前ヶ遊窟の岩峰群も近づいて来ました。
そしてクサリも登場。クサリは新しいものがほとんどでした。ありがたいことです。
登って行くと、途中で右側の草ヤブの中を通ったりします。基本的に、右側右側へと上がっていくのが正しい道です。
(あれ? これはどっちに行けばいいんだ?)と思うようなところで周囲を見回すと、必ず赤テープが見つかります。この赤テープの配置が実に絶妙で、頼りになります。
とはいえ、ルートを探しながら岩場を上がっていくので、普通のハイキングとはまったく趣が異なります。
このルートファインディングの必要性が、このルートの難しさであり、楽しさでもあります。
明らかに危険なところはないんですけどね、
でもやっぱり上級者コースですよ、御前ヶ遊窟は。
長いクサリをつかんで登ります。
険しい岩峰が冒険心を刺激します。
振り返ると谷の向こうも岩壁の山。1000mに満たないところでこんな光景が見れるところはあまりないと思います。
右側の草ヤブに入ります。基本的に、右へ右へと意識して上がっていきましょう。
また岩場の長いクサリ。
こんな景色を眺めながらの岩登り。
これが、そんなには危険ではなくて、
程よくアドベンチャー感があるところがとってもナイスなのです(これが御前ヶ遊窟の魅力♪)
だいぶ上がって来ました。白く雪のように見えますが、一枚岩なのです。
まだまだ上がる。右ね、右。右を意識。
いや~~~、この岩山、岩肌、素ん晴らしい眺め。来た甲斐があった。
そしてこんな眺めのところに出ます。左側の岩山が御前ヶ遊窟のある山。
岩壁を右側沿いに上がって来ましたが、この辺から上写真中ほどの草地をトラバース(横切って)して御前ヶ遊窟に向かいます。
紅葉の走りがわずかに見られました。
そして「かえり5m先左」という、岩にでっかく書かれたところを通り過ぎてやや上がると、御前ヶ遊窟に到着です。
と思ったらこちらは小さいほうの穴で、もう少し上に大きな穴がありました。
さて、とりあえず御前ヶ遊窟には着いたのですが、この岩山の上まで行くことができるはずなので行ってみることにします。
ところが、ここから先は赤テープがありません。赤テープは御前ヶ遊窟で終わっているのです。
(もう赤テープはない)
(この岩壁↓の上に上がる)
持ってきた地図を見ると、「遊窟の上の頂上へ行くには、遊窟を出てすぐの直上する岩に取りついてはならない。急で登れなくなる。左側のゆるい岩場から尾根に出る」
と書いてあります。それに従い、左の方に上がって来ました。
すると、真っ白な岩の斜面が現れます。
・・・・・
これをトラバースするのか?(汗;)
とまどいつつも進んでみる。
ん~~~~~;
いや? こりゃ違うだろ?(大汗)
ふと気が付くと、この斜面の中にいたわけだが、万一ズッコケて転び始めたら、おそらく止まらないだろうなというくらいの角度なのだ。今日一番危なかったのはここ。いや~、戻ってよかった。危なかった。
慎重に岩場のはずれまで戻る。でもなぁ、ここを行くしかないのかなぁ。
一か所、岩壁をまっすぐ斜め上に上がる、草のついたラインがあって、ここをたどれば行けそうな気もするんだけど、やっぱり転んだりスリップしてしまった時の不安の方が大きい。
ここを行くか行くまいかしばし思案する。
・・・・
そしてふと気が付くと、
なんと!
岩の斜面の向こうにカモシカ登場!
いや~~、これは想定外だった。初めてカモシカ見ました。感動的です!
しかしだ、
カモシカって、人を襲ったりしないよな?
この立地で攻め込まれたら、もうどうにも逃げようもない。頭から突進して来られたらどうしよう(大汗;) (来ないでくれ!)と必死に祈る。
カモシカはじっとその場で立ち止まり、いつまでも動こうとしない。
もしかすると、カモシカも同じことを考えていたかもしれない。互いに対峙したまま、沈黙の時が流れる。
何分かそこでにらみ合いを続けましたが、カモシカは一向に動こうとしないので、やや急ではあるものの、意を決して右側の坂を上がることにしました。こちらも急ではあるのですが、仮にすっころんでも草木があるため止まる安心感があります。
10mほどでしょうか、岩の坂を上がりきりました。帰り道にわかったことですが、結果的にはこれが正解でした。
御前ヶ遊窟から上がって来て白い岩の斜面に出くわしたところから、最低限安全に上がるルートのイメージ図。
斜面右沿いに上がります。そして、岩壁の上部まで来たら左に行きます。すると、稜線のはずれに上がることができます。
しかし、初めて来た私にはそれはわかりませんでした。山の上には稜線の道があるとのことですが、どこから稜線に出られるのか植物に遮られよくわかりません。
でも稜線まではそんなに距離もないし、植物帯の密度もそれほどひどくはないので思い切って無理やりヤブ漕ぎで上がることにしました。長年山歩きをしていますが、ヤブ漕ぎらしいことをやるのは初めてな気がします。
すると、割とあっさり稜線の道に出ることができました。
稜線をたどり、最後に岩山の急登を木の根につかまって登りきると、
御前ヶ遊窟の頂上です。
(ここは落ちたらアウト)
無事上がって来れた。ヘルメットよありがとう。
しばらく休んで戻ります。
稜線を下ってきたところから見た、御前ヶ遊窟の岩の全貌です。さっきまでこの岩のてっぺんにいました。御前ヶ遊窟はこの岩の基部にあります。
そして御前ヶ遊窟の前を通り過ぎて、この案内の通りにやや行くと、
ソウケエ新道への道があります。とりあえずクサリ。
こんな壮観な岩峰の下を通ったり、
こんなところを通ったりして気分は踊るんだけど、
なかなかにハードなルートで疲れるんだなこれが(汗)
クサリがあればいい方で、「え?ここは何にもないの?」ってなところも。
そして御前ヶ遊窟の岩場に別れを告げ、
ソウケエ新道の稜線に出ました。
進んでいくと、こんな開けたところも。
また進んでいくと、1本目のクサリが現れました。
結局ソウケエ新道では確か7本のクサリを下ったように思うのですが、すべてのクサリが絶対必要であるから設置されているもので、オマケの補助的なクサリは1つもありません。ちょっと緊張感を強いられるところもありました。
左側はこちらもデカイ岩壁の山。
馬の背の稜線は私の好きな道の1つ。
右側に現れた大スラブ。カモシカならこんなところも普通の生活の場であるのかもしれません。
長い長いクサリ。でもこれは長いだけで、坂の角度はゆるい方。
このクサリを下りたところ。
そしてこの後もいくつかいやらしいクサリを下りて、小さな沢に出ました。
この沢を越えて、再度樹林帯に上がってちょっと林の中を行きます。
そして林を抜けると、鍬ノ沢のほとりに出ます。
前記の地図によれば、ここから150mほど沢を渡渉することになっています。
こちらは左岸なので、どこかで右岸に渡る必要があります。
この日の水量なら登山靴でもなんとか渡れそうな場所もありましたが、私は長靴で楽勝だったので、川の中のここぞというポイントに石を置き、歩きやすくしてみました(B・Y新道?)
右岸に渡ってしばし進むと・・・
細い木に赤テープがあります。ここを右に曲がります。
しかし、、、
目の前はこの草むら↑なんだよね。赤テープがなかったらここを行こうとは思わないって。
草むらをポールでかき分け、見えない地面をポールで探りながら坂を上がり、朝方通ったタツミ沢入口の分岐に戻って来ました。
(「ご苦労さまでした」という文字に癒される)
そしてまたここから30分歩いて(もうヒザがガクガク)、無事駐車場に戻って来ました。
結局この日は長靴で歩き通してしまいました。行程を終えて、結果的にはスパイク長靴の選択は正解だったかなと思いました。岩場でのグリップは万全でしたし、特に川の渡渉でポイントを気にせず楽に歩けたのは良かったです。
難点は蒸れること。あと、インソールは登山用のものを入れとけばよかったなと思いました。
今回のルートは、私の10年ちょっとの登山歴のなかでも、ワイルドさでは堂々の第一位に躍り出ました。
明らかに落ちたら危険な絶壁みたいなところは、御前ヶ遊窟の頂上を除けばありません。
その代わり随時ルートファインディングが必要で、アスレチックのようなアップダウンが続くエキサイティングな大人のアドベンチャーランドでした。これは面白い山です。シジミ沢出合いまでのアプローチがもうちょっと短いと楽なのですがね。
御前ヶ遊窟?会越国境の急峻な岩山に挑みカモシカに遭遇する初秋の休日 おわり
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登山にどれくらい水を持って行くか?
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登山靴 ザック 雨具 帽子 腕時計
登山シャツ フリース ダウンベスト
アウタージャケット ダウンジャケット
アームカバー トレッキングパンツ
ショートパンツ 七分丈パンツ ソックス
サポートタイツ タイツ 保温タイツ
コンバーチブルパンツ 山スカート
スパッツ:ゲイター トレッキングポール
ウエストポーチ ガスバーナー アイゼン
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駐車場 (30分) タツミ沢入口の分岐 (1時間15分) シジミ沢入口 (2時間) 御前ヶ遊窟頂上 (2時間15分) タツミ沢入口の分岐 (30分) 駐車場
9/5、阿賀町の奥の新潟福島県境に近い、御前ヶ遊窟(ごぜんがゆうくつ)という岩山に登ってきました(国土地理院の地図はこちら)。登山愛好者の間では知られる、チャレンジングなスラブ(平らな岩の坂)を擁する岩峰の山です。
磐越道の津川ICを降り、たきがしら湿原方面に向かいます。下の画像は道の途中で現れた看板。「御前ヶ遊窟」の文字もあります。

こちらは丸渕観光わらび園にある看板。結構重要情報が書いてあります。案内なしで初めて行く人には役立つことがあるでしょう。私はネットでこの地図を見て、印刷して持って行きました。
たきがしら湿原に近くなってきたところで、分岐を左(南側)に入ります。

下の地図のマーカー「A」のあたりから、南側に入る道がついています。
そしてその林の中の道を100mほど行くと、

行き止まり(上記地図B地点)が、これくらいの駐車場になっています。

この日は御前ヶ遊窟を訪れたのは私一人だったようでした。
駐車場奥に注意の看板と、登山者名簿を書くところがあります。私も念のため記入。

「御前ヶ遊窟は、急峻な岩場などが連続する上級者向けの山です。」
とありますが、この言葉に偽りはありません。
岩場から落ちたら死ぬかもという点では八海山の八ツ峰の方が危険です。でも御前ヶ遊窟はそんなに危険なところは頂上以外はありません。でもいろんな面で微妙に難しく、確かに間違いなく上級者向けの山です。
今日はこの靴で歩きます。

海釣りで使う、スパイク長靴です。事前にネットで調べたところ、シジミ沢までのアプローチがぐちゃぐちゃだとか、途中沢を渡るところがあるとのことだし、岩場の登りだってスパイクならどんな靴底よりも強力だろうと思ったからです。
一応いつも履いている登山靴もザックに入れて来ました。状況によっては履き替えるつもりです。
まずは樹林帯歩き。

「御前ヶ遊窟 頂上登り口」の立札。

夏草で覆われた道(これがなかなか厄介)を下り、鍬ノ沢(くわのさわ)を渡渉します。

この日の水量なら、登山靴でも場所を選べば渡れそうでした。私は長靴なので楽勝~
沢を渡ると赤テープがありました。

御前ヶ遊窟を初めて巡るには、この赤テープが頼りになります。
この先、ルート上には必ず赤テープがあるので、どっちに行けばよいかわからないときは周囲を見回して赤テープを探します。わかりにくいところには、必ず赤テープがあります。これはある意味すごいことでした。
ところどころ道が崩れかけていて、通過にちょっと注意が必要なところもありました。まぁそんなのは山の中ではよくあることですが。

ツリフネソウ

今日はショートパンツにサポートタイツ、半袖シャツにアームカバーです。トレッキングポールとグローブも毎度のアイテム。

いつもと違うのは登山靴でなく、長靴ということだけ。沢だろうが泥道だろうが、どんなところでも気にせず歩けるので楽です。こりゃいいわ。この日のシジミ沢までの道では、ぐちゃぐちゃでひどいところはそれほどなかったですね。
タツミ沢入口の分岐に来ました。ここまで駐車場から30分。戻りも30分でした。

行きはこの道標を左へと進み、帰りは道標の右の道を上がって来ます。両側とも夏草に覆われて道が見えませんね。
ここに御前ヶ遊窟周辺の地図があります。役立つ情報もあるので、私はこの地図を事前にネットで調べて印刷して持って行きましたが大いに役立ちました。


進んでいきます。
しかしね、夏草がひどいところが時々あるんだなこれが。

(さて、道はどこでしょう?)
右側に岩山の壁が見えてきました。


岩山がずっと続いています。こういうところは最近行ってないのでうれしくなります。
しかししかし、夏草が。

(こんもり盛り盛り)
今日ばかりはトレッキングポールを持ってきてよかったと思いましたね。よかったと思ったところ。
①夏草をかき分けたり、見えない道を探りながら歩くことができる。
道が見えないので、踏み外したりしないか怖いんですが、ポールで確認しながら歩けば安心感があります。
②クモの巣を払うのに便利。
歩く人も少ないのか、かな~~りクモの巣が張られてましたね。
③ヘビを追いやるのに便利。
ヘビは3匹現れました(ほか、トカゲ、カエルなど多数)
秋になって紅葉シーズンに人が通るようになれば、草も枯れるでしょうしこの草も気にならなくなるのでしょうね。
ナツエビネ。

御前ヶ遊窟の鋭い岩峰群が見えてきたら、シジミ沢出合いはもうすぐです。

大きな岩の手前を右に下りるとシジミ沢の出会いです。

沢の向こうに赤テープが見えます。この日の水量なら、普通の登山靴でも簡単に渡れる感じでした。
左に滝があります。

本格的な登りに備え、ここで帽子からヘルメットに替えます。

さて、ここからクライミングになります。登り始めたら、左側に行きます。道なりに右側を行くと大岩ゾーンで難しすぎて(おかしいな?)と思ったら、案の定正しい道は左手にありました。
とにかく赤テープをたどります。赤テープをたどって行けば間違いありません。

難しいところには虎ロープやクサリがあります。

この樹林帯は岩がゴロゴロしている上に結構な急斜で、なかなかワイルドなところでありました。
そして樹林帯を抜けました。右側に虎ロープが配置されているので、これをたどっていくと安心です。

とりあえず岩の上を立って歩いてみます。

岩はざらついているので、普通の登山靴等であれば滑ることはないように感じました。
しかし、立って歩くには微妙~に不安な勾配で、右側のロープを頼りました。

四つん這いで岩の上を上がっていくのも面白かったかもなとは、家に帰って来て写真を見て思い起こしました。
御前ヶ遊窟の岩峰群も近づいて来ました。

そしてクサリも登場。クサリは新しいものがほとんどでした。ありがたいことです。

登って行くと、途中で右側の草ヤブの中を通ったりします。基本的に、右側右側へと上がっていくのが正しい道です。
(あれ? これはどっちに行けばいいんだ?)と思うようなところで周囲を見回すと、必ず赤テープが見つかります。この赤テープの配置が実に絶妙で、頼りになります。

とはいえ、ルートを探しながら岩場を上がっていくので、普通のハイキングとはまったく趣が異なります。
このルートファインディングの必要性が、このルートの難しさであり、楽しさでもあります。
明らかに危険なところはないんですけどね、
でもやっぱり上級者コースですよ、御前ヶ遊窟は。

長いクサリをつかんで登ります。

険しい岩峰が冒険心を刺激します。

振り返ると谷の向こうも岩壁の山。1000mに満たないところでこんな光景が見れるところはあまりないと思います。

右側の草ヤブに入ります。基本的に、右へ右へと意識して上がっていきましょう。

また岩場の長いクサリ。

こんな景色を眺めながらの岩登り。

これが、そんなには危険ではなくて、
程よくアドベンチャー感があるところがとってもナイスなのです(これが御前ヶ遊窟の魅力♪)
だいぶ上がって来ました。白く雪のように見えますが、一枚岩なのです。

まだまだ上がる。右ね、右。右を意識。

いや~~~、この岩山、岩肌、素ん晴らしい眺め。来た甲斐があった。

そしてこんな眺めのところに出ます。左側の岩山が御前ヶ遊窟のある山。

岩壁を右側沿いに上がって来ましたが、この辺から上写真中ほどの草地をトラバース(横切って)して御前ヶ遊窟に向かいます。
紅葉の走りがわずかに見られました。

そして「かえり5m先左」という、岩にでっかく書かれたところを通り過ぎてやや上がると、御前ヶ遊窟に到着です。

と思ったらこちらは小さいほうの穴で、もう少し上に大きな穴がありました。

さて、とりあえず御前ヶ遊窟には着いたのですが、この岩山の上まで行くことができるはずなので行ってみることにします。
ところが、ここから先は赤テープがありません。赤テープは御前ヶ遊窟で終わっているのです。
(もう赤テープはない)

(この岩壁↓の上に上がる)

持ってきた地図を見ると、「遊窟の上の頂上へ行くには、遊窟を出てすぐの直上する岩に取りついてはならない。急で登れなくなる。左側のゆるい岩場から尾根に出る」
と書いてあります。それに従い、左の方に上がって来ました。
すると、真っ白な岩の斜面が現れます。

・・・・・
これをトラバースするのか?(汗;)
とまどいつつも進んでみる。
ん~~~~~;
いや? こりゃ違うだろ?(大汗)

ふと気が付くと、この斜面の中にいたわけだが、万一ズッコケて転び始めたら、おそらく止まらないだろうなというくらいの角度なのだ。今日一番危なかったのはここ。いや~、戻ってよかった。危なかった。
慎重に岩場のはずれまで戻る。でもなぁ、ここを行くしかないのかなぁ。
一か所、岩壁をまっすぐ斜め上に上がる、草のついたラインがあって、ここをたどれば行けそうな気もするんだけど、やっぱり転んだりスリップしてしまった時の不安の方が大きい。

ここを行くか行くまいかしばし思案する。
・・・・
そしてふと気が付くと、
なんと!
岩の斜面の向こうにカモシカ登場!

いや~~、これは想定外だった。初めてカモシカ見ました。感動的です!
しかしだ、
カモシカって、人を襲ったりしないよな?
この立地で攻め込まれたら、もうどうにも逃げようもない。頭から突進して来られたらどうしよう(大汗;) (来ないでくれ!)と必死に祈る。
カモシカはじっとその場で立ち止まり、いつまでも動こうとしない。

もしかすると、カモシカも同じことを考えていたかもしれない。互いに対峙したまま、沈黙の時が流れる。
何分かそこでにらみ合いを続けましたが、カモシカは一向に動こうとしないので、やや急ではあるものの、意を決して右側の坂を上がることにしました。こちらも急ではあるのですが、仮にすっころんでも草木があるため止まる安心感があります。
10mほどでしょうか、岩の坂を上がりきりました。帰り道にわかったことですが、結果的にはこれが正解でした。
御前ヶ遊窟から上がって来て白い岩の斜面に出くわしたところから、最低限安全に上がるルートのイメージ図。

斜面右沿いに上がります。そして、岩壁の上部まで来たら左に行きます。すると、稜線のはずれに上がることができます。
しかし、初めて来た私にはそれはわかりませんでした。山の上には稜線の道があるとのことですが、どこから稜線に出られるのか植物に遮られよくわかりません。
でも稜線まではそんなに距離もないし、植物帯の密度もそれほどひどくはないので思い切って無理やりヤブ漕ぎで上がることにしました。長年山歩きをしていますが、ヤブ漕ぎらしいことをやるのは初めてな気がします。
すると、割とあっさり稜線の道に出ることができました。

稜線をたどり、最後に岩山の急登を木の根につかまって登りきると、

御前ヶ遊窟の頂上です。

(ここは落ちたらアウト)
無事上がって来れた。ヘルメットよありがとう。

しばらく休んで戻ります。
稜線を下ってきたところから見た、御前ヶ遊窟の岩の全貌です。さっきまでこの岩のてっぺんにいました。御前ヶ遊窟はこの岩の基部にあります。

そして御前ヶ遊窟の前を通り過ぎて、この案内の通りにやや行くと、

ソウケエ新道への道があります。とりあえずクサリ。

こんな壮観な岩峰の下を通ったり、

こんなところを通ったりして気分は踊るんだけど、

なかなかにハードなルートで疲れるんだなこれが(汗)

クサリがあればいい方で、「え?ここは何にもないの?」ってなところも。
そして御前ヶ遊窟の岩場に別れを告げ、

ソウケエ新道の稜線に出ました。

進んでいくと、こんな開けたところも。

また進んでいくと、1本目のクサリが現れました。

結局ソウケエ新道では確か7本のクサリを下ったように思うのですが、すべてのクサリが絶対必要であるから設置されているもので、オマケの補助的なクサリは1つもありません。ちょっと緊張感を強いられるところもありました。
左側はこちらもデカイ岩壁の山。

馬の背の稜線は私の好きな道の1つ。

右側に現れた大スラブ。カモシカならこんなところも普通の生活の場であるのかもしれません。

長い長いクサリ。でもこれは長いだけで、坂の角度はゆるい方。

このクサリを下りたところ。

そしてこの後もいくつかいやらしいクサリを下りて、小さな沢に出ました。

この沢を越えて、再度樹林帯に上がってちょっと林の中を行きます。

そして林を抜けると、鍬ノ沢のほとりに出ます。

前記の地図によれば、ここから150mほど沢を渡渉することになっています。
こちらは左岸なので、どこかで右岸に渡る必要があります。

この日の水量なら登山靴でもなんとか渡れそうな場所もありましたが、私は長靴で楽勝だったので、川の中のここぞというポイントに石を置き、歩きやすくしてみました(B・Y新道?)
右岸に渡ってしばし進むと・・・

細い木に赤テープがあります。ここを右に曲がります。

しかし、、、

目の前はこの草むら↑なんだよね。赤テープがなかったらここを行こうとは思わないって。
草むらをポールでかき分け、見えない地面をポールで探りながら坂を上がり、朝方通ったタツミ沢入口の分岐に戻って来ました。

(「ご苦労さまでした」という文字に癒される)
そしてまたここから30分歩いて(もうヒザがガクガク)、無事駐車場に戻って来ました。

結局この日は長靴で歩き通してしまいました。行程を終えて、結果的にはスパイク長靴の選択は正解だったかなと思いました。岩場でのグリップは万全でしたし、特に川の渡渉でポイントを気にせず楽に歩けたのは良かったです。

難点は蒸れること。あと、インソールは登山用のものを入れとけばよかったなと思いました。
今回のルートは、私の10年ちょっとの登山歴のなかでも、ワイルドさでは堂々の第一位に躍り出ました。
明らかに落ちたら危険な絶壁みたいなところは、御前ヶ遊窟の頂上を除けばありません。
その代わり随時ルートファインディングが必要で、アスレチックのようなアップダウンが続くエキサイティングな大人のアドベンチャーランドでした。これは面白い山です。シジミ沢出合いまでのアプローチがもうちょっと短いと楽なのですがね。
御前ヶ遊窟?会越国境の急峻な岩山に挑みカモシカに遭遇する初秋の休日 おわり
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コメント
1761. 山登りに行きたくなりました!
- 2015-09-09 16:49
- 編集
1762. Re: 山登りに行きたくなりました!
karei-na-kisuさん、こんばんは!
超大作お読みいただきありがとうございました(笑)自分でも読み返すのが大変です。
遭遇したのが熊でなくてよかったとは、実は私もつくづく思っていました。あの距離でもしツキノワグマと出くわしていたら、緊張度はメーター振り切ってたでしょうね(笑)
仮にですが、クマと遭遇したら背を向けて逃げてはいけないと言われているので、クマの方を向きながらそっと後ずさりする必要があったでしょう。でも、あの地形ではそれはかなり困難なことでした。だから余計に(クマでなくてよかった)と思ったのです。
投げ釣りも楽しいですが、山も楽しいです。私も子供が小さいときはよく一緒に出かけました。これからはハイキングもいいシーズンですね。角田山の灯台コースなんかはオススメです。
落ちギスは、今年は水温の低下が早いのでシーズンインも早いかもしれませんね。釣りの掲示板にありますが、昨日はばず山さんが26cmを釣っておられました。台風一過で落ち着いたところがチャンスかもしれませんね♪
超大作お読みいただきありがとうございました(笑)自分でも読み返すのが大変です。
遭遇したのが熊でなくてよかったとは、実は私もつくづく思っていました。あの距離でもしツキノワグマと出くわしていたら、緊張度はメーター振り切ってたでしょうね(笑)
仮にですが、クマと遭遇したら背を向けて逃げてはいけないと言われているので、クマの方を向きながらそっと後ずさりする必要があったでしょう。でも、あの地形ではそれはかなり困難なことでした。だから余計に(クマでなくてよかった)と思ったのです。
投げ釣りも楽しいですが、山も楽しいです。私も子供が小さいときはよく一緒に出かけました。これからはハイキングもいいシーズンですね。角田山の灯台コースなんかはオススメです。
落ちギスは、今年は水温の低下が早いのでシーズンインも早いかもしれませんね。釣りの掲示板にありますが、昨日はばず山さんが26cmを釣っておられました。台風一過で落ち着いたところがチャンスかもしれませんね♪
- 2015-09-09 17:31
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今回も超大作のブログ記事を楽しく読ませていただきました!(笑)
しかしカモシカとの遭遇はびっくりですね!突進されなくてよかったですね!!それと遭遇したのが熊でなくてよかったですよね!(汗)
B・Yさんの山登りの記事を読むたびに、昔登った山の感動がよみがえってくるような思いで、この秋は家族で近いところの山を登ってみようかな…なんて考えるようになりました!
釣りの方ももう少ししたら落ちギスシーズンですね!
爆釣と行きたいですね!!