2012-12-06 05:06:00
今日は最近読んだ本の簡単なご紹介。
モノはこちら。

「ピカソは本当に偉いのか?
」-西岡文彦
この、本の題名に「?」をつけてしまうあたり、今風な文章っぽくてとっつきやすいです。
内容のほうもさすがプロの美術評論家の文章だけあって多様な語彙に富んでるんだけど、やはり今風というか、新書ということで一般向けだからなのか、専門用語をなるべく用いずに、しかしながら実に達意の文章を書くあたりは感心させられます。
私の日記の文章のスカスカ感とは、全然違います(当たり前)
さて、内容の方も、冒頭付近から実に身もフタもない疑問文から展開していきます。
こちらはピカソのキュビスムの絵の第一弾として、それまでの絵と時代を画する作品となり、本書の内容の取っ掛かりともなっている、ピカソの「アヴィニョンの娘たち」という絵です。

以下、本書の内容より引用(大字は私が勝手にやったことです)。
この「アヴィニョンの娘たち」に限らず、ピカソの代表作とされる絵画の前に立たされた時、多くの人は以下のような疑問を抱かずにはいられないのではないでしょうか。
1.この絵は本当に美しいのか?(どこが上手いのか?)
2.見る者にそう思わせる絵が、どうして偉大な芸術とされるのか?
3.かりに偉大な芸術としても、その絵にどうしてあれほどの高値がつくのか?
ちなみに、この三つの疑問には、それぞれと表裏をなすかたちで以下のような疑問が含まれているのではないでしょうか。
4.ピカソのような絵であれば、誰でも描けるのではないか?
5.そういう絵を偉大とする芸術というものは、どこかおかしいのではないか?
6.そういう芸術にあれほど高値をつける市場も、どこかおかしいのではないか?
ん~~~~~、実に身もフタもない、まさに「その通り!」という素人目線の疑問設定ですね。ここがまず素晴らしいです。
そして、本文の方ではピカソの人生や美術史の変遷を語ることにより、あの時代にあのタイミングであのキュビスムのヘンテコな絵を描くことが、いかに時宜にかなっていたかということが順序だって説明されています。
ピカソは決して、ただ単にへんてこりんな絵を描いたのではなくて、きちんとした計算があり、まずこのキュビスム第一弾の「アヴィニョンの娘たち」を描いたのだとか。しかし、当初はさすがに誰にも理解されず、発表したあの絵を隠してしまったというエピソードは、ピカソにも「恥ずかしさ」という人間らしい一面があったのだなぁという気がしますね。
上記6つの問いに、ちゃんと著者は解答を出しています。ただ、こういったものは正答というものはないものだとも思います。
それでも、ちゃんと納得性があり、腑に落ちる答えを著者の西岡文彦先生は用意しています。
ピカソは生きている間に自分の作品が売れて、莫大な富を築き上げることができた稀有な芸術家だそうですが、そうして芸術的、経済的に大成功を収めたピカソの人生は、果たして幸せなものであったのか?
その点についても、一応著者なりの解答があります。よかったら読んでみてください。
美術とかピカソとかに縁のないアナタに贈る知的興奮の書!

ピカソは本当に偉いのか?
B型人間の本棚
モノはこちら。

「ピカソは本当に偉いのか?
この、本の題名に「?」をつけてしまうあたり、今風な文章っぽくてとっつきやすいです。
内容のほうもさすがプロの美術評論家の文章だけあって多様な語彙に富んでるんだけど、やはり今風というか、新書ということで一般向けだからなのか、専門用語をなるべく用いずに、しかしながら実に達意の文章を書くあたりは感心させられます。
私の日記の文章のスカスカ感とは、全然違います(当たり前)
さて、内容の方も、冒頭付近から実に身もフタもない疑問文から展開していきます。
こちらはピカソのキュビスムの絵の第一弾として、それまでの絵と時代を画する作品となり、本書の内容の取っ掛かりともなっている、ピカソの「アヴィニョンの娘たち」という絵です。

以下、本書の内容より引用(大字は私が勝手にやったことです)。
この「アヴィニョンの娘たち」に限らず、ピカソの代表作とされる絵画の前に立たされた時、多くの人は以下のような疑問を抱かずにはいられないのではないでしょうか。
1.この絵は本当に美しいのか?(どこが上手いのか?)
2.見る者にそう思わせる絵が、どうして偉大な芸術とされるのか?
3.かりに偉大な芸術としても、その絵にどうしてあれほどの高値がつくのか?
ちなみに、この三つの疑問には、それぞれと表裏をなすかたちで以下のような疑問が含まれているのではないでしょうか。
4.ピカソのような絵であれば、誰でも描けるのではないか?
5.そういう絵を偉大とする芸術というものは、どこかおかしいのではないか?
6.そういう芸術にあれほど高値をつける市場も、どこかおかしいのではないか?
ん~~~~~、実に身もフタもない、まさに「その通り!」という素人目線の疑問設定ですね。ここがまず素晴らしいです。
そして、本文の方ではピカソの人生や美術史の変遷を語ることにより、あの時代にあのタイミングであのキュビスムのヘンテコな絵を描くことが、いかに時宜にかなっていたかということが順序だって説明されています。
ピカソは決して、ただ単にへんてこりんな絵を描いたのではなくて、きちんとした計算があり、まずこのキュビスム第一弾の「アヴィニョンの娘たち」を描いたのだとか。しかし、当初はさすがに誰にも理解されず、発表したあの絵を隠してしまったというエピソードは、ピカソにも「恥ずかしさ」という人間らしい一面があったのだなぁという気がしますね。
上記6つの問いに、ちゃんと著者は解答を出しています。ただ、こういったものは正答というものはないものだとも思います。
それでも、ちゃんと納得性があり、腑に落ちる答えを著者の西岡文彦先生は用意しています。
ピカソは生きている間に自分の作品が売れて、莫大な富を築き上げることができた稀有な芸術家だそうですが、そうして芸術的、経済的に大成功を収めたピカソの人生は、果たして幸せなものであったのか?
その点についても、一応著者なりの解答があります。よかったら読んでみてください。
美術とかピカソとかに縁のないアナタに贈る知的興奮の書!

ピカソは本当に偉いのか?
B型人間の本棚
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