2012-10-02 05:17:00
今日は久しぶりに読書日記ね。
モノはこちら。

リンダ・グラットン著、
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
珍しく、図書館で借りないで買いました。
(おお、あのケチが)
しかし、これが活字が小さくてページに字がびっしり埋まっている上に、386ページもあるなかなかの本で、しかも、
(この部分はなくてもいいのではないか?)
(このフレーズはもう4回くらい出てきたのではないか?)
という、社会科学系の大著にありがちな冗長さでもってグイグイ攻め立てるなかなか厄介な書物でありました(読疲)
読書は私の4大趣味(山歩き、キス釣り、読書、HP・ブログ書き)のひとつなのですが、読むのは小説以外ならなんでもという感じです。
んで、ワタクシは、読んだ本の途中の文章で、(これは使えるな)と思ったものを、ケータイでメモして、Gメールに飛ばしておきます。
今回の「ワーク・シフト」は、なかなかメモすることが多かったですね。
メモした文章の最後に「ワーク・シフト」と書いておくと、後日Gメールで「ワーク・シフト」と検索すれば、メモしたものがずらりと並んで、自分の気になったところだけ読み返せるという寸法です。私はこのようにGメールを活用しています。
では、今回メモした文章の一部のご紹介。文章は、本文の趣旨を損なわない程度に変えてあるものもあります。
・時間に追われる日々を避けるうえで最も有効なのは、「第三のシフト」だろう。消費をひたすら追求する人生を脱却し、情熱的になにかを生み出す人生に転換することである。
・ハーバード大学医学大学院の研究チームは、何千人もの人たちを対象に、健康と幸福に関する長期の追跡調査を実施した。
それによると、最も幸福感が高いのは、最も裕福な人たちでもなければ、最も大きな業績を成し遂げた人たちでもなかった。
幸福感の高さと最も強い関連性が一貫して認められた要素は、親しい友だちがどの程度いるのかという点だった。
逆に、寂しさを感じている人は概して健康状態が悪く、しかも孤独の弊害は急速に周囲の人たちに伝染することがわかった。
専門家の間でも、肩の凝らない親しい人間関係は精神の健康と幸福に欠かせない要素と考えられてきた。
・学術的研究によれば、なぜ不幸せに感じているのかという研究者の問いに対して、余暇時間にテレビを見て受動的に過ごす時間があまりに長いという理由を挙げる人もいる。
・先進国が大倹約時代に突入すれば、大量消費社会に終止符が打たれて、消費より、充実した経験を重んじる社会への転換が実現するかもしれない。
・世界の人々が漫然とテレビを見て過ごす代わりに、「ソーシャルな」活動に積極的に参加するようになる可能性もある。
新しいテクノロジーのおかげで時間に余裕ができれば、余暇時間に思考力と創造性を発揮して、持続可能性を重んじる文化を築こうとする動きが活発になるかもしれない。
・2025年の世界では、共感の精神に目覚めて、社会貢献のために自分の時間を捧げようとする人が何百万人も現れる。
ジョンのように貧しい国の人々を助けたいと考える人もいるだろうし、オンライン上に学習素材を公開する活動に自分の時間と専門技能を生かそうとする人もいるだろう。世界の人々を教え導いたり、相談に乗ったりする活動に取り組む人や、特定のテーマで政府や企業の行動を変えさせるためのロビー活動に打ち込む人もいるだろう。
ひとことで言えば、人々の共感の精神が強まり、家族や身近な人たちだけでなく、国籍や文化が異なり、一度も会ったことがない人たちの力になろうとする人が増える。 愛情と仲間意識と社交性と共感が人間の基本的な性質になっていくのだ。
・大量消費から充実した経験への移行という「第三のシフト」を実践した人は、楽しい経験をすること、他の人と一緒に時間を過ごすこと、取り組みがいのある課題に挑むこと、価値あるものを生み出すことを重んじるようになる。
・商売を繁盛させるには、自分を同業者から差別化し、評判を高めることが不可欠だと、職人たちは誰もが知っていた。
独り立ちした職人は、はじめのうちこそ師匠の仕事をまねするが、じきに自分らしさを打ち出しはじめる。時間をかけて、ゆっくりと自分だけの特徴を磨いていくのだ。
・極めて高度な専門技能を習得するためには、一万時間以上の訓練が必要だという説もある。
・哲学者のジャン=ポール・サルトルも、仕事とは意義を見いだすプロセスであると位置づけた。
とりわけ、本当の自分らしさと個性を獲得することが重要だと考えていた。
サルトルによれば、私たちの職業生活で重要なのは、高度な専門技能に習熟するための深い経験だという。
自分らしさと個性はお手軽に身につくものではなく、努力して学ばなくてはならないからだ。
人間は自分の行動の総和にほかならず、意義ある人生を送れるかどうかは、意義ある仕事ができるかどうかに大きく左右されると、サルトルは考えていた。
マルクスとサルトルの思想に共通するのは、楽しさとやりがいを見いだせる要素と仕事を切り離せば、機械的な作業を単調に繰り返すだけになり、その人の本質をなす要素の一つが薄まって、自分らしさが失われると考えたことである。
・未来の世界では、グローバル化が急速に進み、インターネットを通じて世界中の人々が日々新しい知識を仕入れるようになる。そういう時代に、大勢の人たちのなかで自分を際立たせるためには、なにが必要なのか。
その答えに気づいたのは、成功している企業について詳しく調べたときだった。
やっていることの多くは、成功企業も同業のほかの企業と変わりなかった。おおむね、業界のベストプラクティス(お手本となる手法)を取り入れているにすぎない。
しかし、成功を収めている企業には、それだけではなく、独特な要素、類いまれな要素が必ずあった。私たちは、そういう要素を「署名」と呼んだ。自筆の署名が他人にまねできないように、ライバルにはまねできない特徴的な要素を備えていたのだ。
それは、幹部たちが会議で協力しあう姿勢だったり、人材の採用選考の方法だったり、企業の組織構造や意思決定プロセスだったりする。
・CERN(欧州原子核研究機構)における科学者コミュニティの注目すべき点は、メンバー一人ひとりが自分の貢献を人々に知らしめる方法が確立されていることだ。
実験データの特定部分に関して100人を超す研究者が共同で研究を進めているケースも多く、個人の手柄をアピールするのは難しい。
そこで、最終的に論文を発表するときは、執筆の過程で協力した全員の氏名を明記する。たとえ100人を上回るとしても、一人残らず、アルファベット順に名前を記すのがルールとなる。一人ひとりの貢献を明示することになっているのだ。
・社交的なイメージがあって気軽に近づきやすく、互恵的に振る舞う人というイメージがあるので喜んで友達を紹介したくなる人は、ほかの人を引きつけやすい。
しかし、おそらくそれ以上に重要なのは、面白くて知的興奮を与えてくれる人と思われること、そして、自分にアプローチする方法をほかの人たちにわかりやすく示すことだろう。そのために、ツイッターを活用してもいいし、コメント欄つきのブログを開設してもいいし、動画投稿サイトにメッセージを公開してもいい。今後は、オンライン上で人々が活発に情報を発信するのが当たり前の時代になる。そういう時代には、単に普段と違う世界に足を踏み出すだけでは十分ではない。自分がどういう知的資産と専門性の持ち主かを広く知らしめることにより、人々を引きつけることが不可欠になる。
・未来の世界で自己再生のコミュニティの土台をなす要素の多くを、古代ローマの哲学者で政治家でもあったキケロがすでに指摘しているように、私には思える。
友人関係は自然に生まれるものではなく、エネルギーと時間を意識的につぎ込まなければ成り立たないこと。活力源となる友人関係の核をなすのが関心と価値観の共有であること。キケロはこうした点を2000年以上前に指摘していた。
自分と似た人としか友達になれないというのではない。友情が花開くためには、関心と経験を共有している必要があると、キケロは言いたいのだ。友情は、関心と経験の共有という土台の上に生まれて、相互の善意と愛情、対話の深まりを通じて強化されていく、というのである。
とまあ、こういう具合に、メモしとくわけです。実際には読み返さないことも多いのですが。
読み終わった本は、よほど気に入ったものでない限り、図書館に寄贈してしまいます。いつもさんざんタダで借りてるので、少しは貢献しないとね。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
B型人間の本棚
モノはこちら。

リンダ・グラットン著、
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
珍しく、図書館で借りないで買いました。
(おお、あのケチが)
しかし、これが活字が小さくてページに字がびっしり埋まっている上に、386ページもあるなかなかの本で、しかも、
(この部分はなくてもいいのではないか?)
(このフレーズはもう4回くらい出てきたのではないか?)
という、社会科学系の大著にありがちな冗長さでもってグイグイ攻め立てるなかなか厄介な書物でありました(読疲)
読書は私の4大趣味(山歩き、キス釣り、読書、HP・ブログ書き)のひとつなのですが、読むのは小説以外ならなんでもという感じです。
んで、ワタクシは、読んだ本の途中の文章で、(これは使えるな)と思ったものを、ケータイでメモして、Gメールに飛ばしておきます。
今回の「ワーク・シフト」は、なかなかメモすることが多かったですね。
メモした文章の最後に「ワーク・シフト」と書いておくと、後日Gメールで「ワーク・シフト」と検索すれば、メモしたものがずらりと並んで、自分の気になったところだけ読み返せるという寸法です。私はこのようにGメールを活用しています。
では、今回メモした文章の一部のご紹介。文章は、本文の趣旨を損なわない程度に変えてあるものもあります。
・時間に追われる日々を避けるうえで最も有効なのは、「第三のシフト」だろう。消費をひたすら追求する人生を脱却し、情熱的になにかを生み出す人生に転換することである。
・ハーバード大学医学大学院の研究チームは、何千人もの人たちを対象に、健康と幸福に関する長期の追跡調査を実施した。
それによると、最も幸福感が高いのは、最も裕福な人たちでもなければ、最も大きな業績を成し遂げた人たちでもなかった。
幸福感の高さと最も強い関連性が一貫して認められた要素は、親しい友だちがどの程度いるのかという点だった。
逆に、寂しさを感じている人は概して健康状態が悪く、しかも孤独の弊害は急速に周囲の人たちに伝染することがわかった。
専門家の間でも、肩の凝らない親しい人間関係は精神の健康と幸福に欠かせない要素と考えられてきた。
・学術的研究によれば、なぜ不幸せに感じているのかという研究者の問いに対して、余暇時間にテレビを見て受動的に過ごす時間があまりに長いという理由を挙げる人もいる。
・先進国が大倹約時代に突入すれば、大量消費社会に終止符が打たれて、消費より、充実した経験を重んじる社会への転換が実現するかもしれない。
・世界の人々が漫然とテレビを見て過ごす代わりに、「ソーシャルな」活動に積極的に参加するようになる可能性もある。
新しいテクノロジーのおかげで時間に余裕ができれば、余暇時間に思考力と創造性を発揮して、持続可能性を重んじる文化を築こうとする動きが活発になるかもしれない。
・2025年の世界では、共感の精神に目覚めて、社会貢献のために自分の時間を捧げようとする人が何百万人も現れる。
ジョンのように貧しい国の人々を助けたいと考える人もいるだろうし、オンライン上に学習素材を公開する活動に自分の時間と専門技能を生かそうとする人もいるだろう。世界の人々を教え導いたり、相談に乗ったりする活動に取り組む人や、特定のテーマで政府や企業の行動を変えさせるためのロビー活動に打ち込む人もいるだろう。
ひとことで言えば、人々の共感の精神が強まり、家族や身近な人たちだけでなく、国籍や文化が異なり、一度も会ったことがない人たちの力になろうとする人が増える。 愛情と仲間意識と社交性と共感が人間の基本的な性質になっていくのだ。
・大量消費から充実した経験への移行という「第三のシフト」を実践した人は、楽しい経験をすること、他の人と一緒に時間を過ごすこと、取り組みがいのある課題に挑むこと、価値あるものを生み出すことを重んじるようになる。
・商売を繁盛させるには、自分を同業者から差別化し、評判を高めることが不可欠だと、職人たちは誰もが知っていた。
独り立ちした職人は、はじめのうちこそ師匠の仕事をまねするが、じきに自分らしさを打ち出しはじめる。時間をかけて、ゆっくりと自分だけの特徴を磨いていくのだ。
・極めて高度な専門技能を習得するためには、一万時間以上の訓練が必要だという説もある。
・哲学者のジャン=ポール・サルトルも、仕事とは意義を見いだすプロセスであると位置づけた。
とりわけ、本当の自分らしさと個性を獲得することが重要だと考えていた。
サルトルによれば、私たちの職業生活で重要なのは、高度な専門技能に習熟するための深い経験だという。
自分らしさと個性はお手軽に身につくものではなく、努力して学ばなくてはならないからだ。
人間は自分の行動の総和にほかならず、意義ある人生を送れるかどうかは、意義ある仕事ができるかどうかに大きく左右されると、サルトルは考えていた。
マルクスとサルトルの思想に共通するのは、楽しさとやりがいを見いだせる要素と仕事を切り離せば、機械的な作業を単調に繰り返すだけになり、その人の本質をなす要素の一つが薄まって、自分らしさが失われると考えたことである。
・未来の世界では、グローバル化が急速に進み、インターネットを通じて世界中の人々が日々新しい知識を仕入れるようになる。そういう時代に、大勢の人たちのなかで自分を際立たせるためには、なにが必要なのか。
その答えに気づいたのは、成功している企業について詳しく調べたときだった。
やっていることの多くは、成功企業も同業のほかの企業と変わりなかった。おおむね、業界のベストプラクティス(お手本となる手法)を取り入れているにすぎない。
しかし、成功を収めている企業には、それだけではなく、独特な要素、類いまれな要素が必ずあった。私たちは、そういう要素を「署名」と呼んだ。自筆の署名が他人にまねできないように、ライバルにはまねできない特徴的な要素を備えていたのだ。
それは、幹部たちが会議で協力しあう姿勢だったり、人材の採用選考の方法だったり、企業の組織構造や意思決定プロセスだったりする。
・CERN(欧州原子核研究機構)における科学者コミュニティの注目すべき点は、メンバー一人ひとりが自分の貢献を人々に知らしめる方法が確立されていることだ。
実験データの特定部分に関して100人を超す研究者が共同で研究を進めているケースも多く、個人の手柄をアピールするのは難しい。
そこで、最終的に論文を発表するときは、執筆の過程で協力した全員の氏名を明記する。たとえ100人を上回るとしても、一人残らず、アルファベット順に名前を記すのがルールとなる。一人ひとりの貢献を明示することになっているのだ。
・社交的なイメージがあって気軽に近づきやすく、互恵的に振る舞う人というイメージがあるので喜んで友達を紹介したくなる人は、ほかの人を引きつけやすい。
しかし、おそらくそれ以上に重要なのは、面白くて知的興奮を与えてくれる人と思われること、そして、自分にアプローチする方法をほかの人たちにわかりやすく示すことだろう。そのために、ツイッターを活用してもいいし、コメント欄つきのブログを開設してもいいし、動画投稿サイトにメッセージを公開してもいい。今後は、オンライン上で人々が活発に情報を発信するのが当たり前の時代になる。そういう時代には、単に普段と違う世界に足を踏み出すだけでは十分ではない。自分がどういう知的資産と専門性の持ち主かを広く知らしめることにより、人々を引きつけることが不可欠になる。
・未来の世界で自己再生のコミュニティの土台をなす要素の多くを、古代ローマの哲学者で政治家でもあったキケロがすでに指摘しているように、私には思える。
友人関係は自然に生まれるものではなく、エネルギーと時間を意識的につぎ込まなければ成り立たないこと。活力源となる友人関係の核をなすのが関心と価値観の共有であること。キケロはこうした点を2000年以上前に指摘していた。
自分と似た人としか友達になれないというのではない。友情が花開くためには、関心と経験を共有している必要があると、キケロは言いたいのだ。友情は、関心と経験の共有という土台の上に生まれて、相互の善意と愛情、対話の深まりを通じて強化されていく、というのである。
とまあ、こういう具合に、メモしとくわけです。実際には読み返さないことも多いのですが。
読み終わった本は、よほど気に入ったものでない限り、図書館に寄贈してしまいます。いつもさんざんタダで借りてるので、少しは貢献しないとね。

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
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