2011-01-31 05:07:00

ヒマラヤの裾野、九州よりやや大きいくらいの面積に60数万人が暮らすアジアの秘境ブータン。
ブータンはGNH(Gross National Hapiness:国民総幸福)を国是として掲げています。
これは、経済的な指数で示される物質的な豊かさとは対照的に、精神的な豊かさこそが国民の幸福につながるという考えで、近代化を急がず、自然や伝統文化を守り、みんなで幸せになろうという理念です。
そして、そのブータンでは事実、
国民の97%が幸福であると感じています(2005年調べ)
そのブータンの人々の幸福な暮らし、生き方とはどのようなものであるのか。その一端を、少しだけかいつまんで箇条書きにしてみました。以下、色付きの部分がその内容です。
・人々は民族衣装、建物は伝統建築です。ブータン独自の文化や伝統を大切にしています。国ごとテーマパークであるともいえます。
・ブータンの村には、人々のつながりがあり、お互いの信頼があります。もし私が助けを必要としているならば、彼や彼女は必ず助けてくれる、と信じることができる強い絆です。そして、そういうコミュニティの中に属しているという深い思いが、人々の心のよりどころになっているのです。
・ホームレスはいません。親戚のなかで、(この人はちょっとあれだな)というときは、助けが入ります。
・孤児はいません。誰か親戚縁者がいるはずなので、彼らに養う責任があります。ですから、ブータンには孤児院はありません。
・自殺をする人はいません。
・野生動物は殺しません。犬は道端で仰向けになってくつろいでいます。危害を加えられたことがないからです。
・家の中に花を飾る習慣はありません。花はたくさん咲いています。
・食料は自給自足ですが、ヒマラヤを背後に持つ地域のため日照りが続くことはなく、飢饉で飢えたことはありません。
・貧しくても学べるように、教育費はタダです。病院も無料です。
・ブータンは水の豊かな国で、水道料は都市の一部を除けば無料です。
・国中禁煙です。
・仏教が国教なのでお坊さんは尊敬されています。仏教が国教ですが、仏教以外を信じても大丈夫です。
・初雪の日は、役所は休みになります。
・地下資源があることは確認されていますが、掘り起こしません。鉱山の採掘は土地を徹底的に破壊するため、自然環境の保護をうたうブータンとしては、「それはちょっと・・・」です。
・ケータイ電話は国土のだいたいどこでも通じます。山や谷の多いブータンでは電線の敷設はやっかいなことでしたが、無線基地局の設置は比較的容易であったため、ケータイはあっという間に国中に広まりました。もちろんインターネットを使える環境も、国土のすべてではありませんが、あります。
・役人はワイロと無縁です。ブータンは小さな世界で、悪事はすぐ筒抜けになるからです。また、人々は仏教の教えの中で生きていることから、法律上クリアできたとしても、悪いことをしたというのは自分が一番知っている。だから不正は起こりません。
・アメリカなどの大国とは付き合いません。どちらかの陣営のトップである国との付き合いは、そちらの陣営に組み込まれる危険性があるからです。
・外国資本の工場もほんの少ししかありません。ですので、みんな貧しいままで、景気の大きな変動もありません。
・日本やアメリカで勉強して帰ってきた人たちは、「これからこうするべきだ」と、先進国と同じような取り組みをしようといいます。しかし、ある人々は「私たちはもっと注意深く考慮すべきで、急ぐ必要はない」と説いています。なぜかというと、この国の人々は死にそうでもなく、飢えてもいないし、家がないわけでも、土地を持たないわけでもないからです。
・日本に留学した経験からいうと、日本は便利すぎると思います。お金さえあれば何でも手に入る。タクシーでも電車でもエレベーターでもエスカレーターでも、すごくラクで便利です。ブータンも便利になってほしいと思うけど、日本ほどじゃなくて、ブータンなりに少しずつバランスを取りながらでいいと思います。
・たとえ国際社会に私たちの生活が適応していったとしても、ブータンはブータンであり続けます。私たちの話し方で話し、私たちらしく振る舞い、私たちの食べ方で、私たちのやり方で生活を営んでいきます。
・発展はいつでも「もっと、もっと」を欲しがります。GNHでは「あなたには家族がいて、宗教があり、国があり、さらに何が必要なのですか?じゅうぶんを学ぶべきだ」と説きます。もし私がじゅうぶんであれば、ほかの人と分け合うこともできます。
国民の97%が幸福であると感じています(2005年調べ)。
う~ん、書き出してはみたものの、やはり本に書いてあるほどの重み、味わいは伝えきれないですね。
ブータンの国民は幸福を感じているとはいえ、世界の中でみれば金銭、物質的には貧しいことは間違いありません。多くの国から資金援助を受けて、なんとかやっているのが実状のようです。
ブータンの人の外見は、日本人とよく似ています。日本がブータンと同じことをしようというのは現実的ではないとは思いますが、部分的に取り入れられる考え方もあるのではないですかね。毎年3万人も自殺者がいる日本と自殺者ゼロのブータンと、どちらが豊かであると言えるのでしょうか。
先進国は、今後はブータンを見習う時代に入っていくのではないですかね。「一周してきてまたブータンに戻った」、みたいな。

幸福王国ブータンの智恵
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