2008-04-16 01:19:02

本の題名からすると「自然保護」とか、「森は生きている」というような内容を想像しますがそうではありません。
この本の著者は宮大工で、法隆寺をはじめとする日本の代表的な寺院の建築・修繕を行っていた西岡常一という人。この本の肝は、職人としての考え方、職人の育て方、そして職人を束ねる棟梁としての心構え、だと思いました。
う~~~~~~~~~~~~~~~~~ん、久々にいい本を読んだ気がしました。日々の仕事を通じて私が感じていることが、関西弁の語り口調で実にわかりやすく語られていました。語り口調なのでとっても読みやすいです。まさしく宮大工の棟梁に「職人道」についてインタビューしたのをそのまま書き起こした感じ、とでも言いましょうか。
私は会社勤めをしておりながら、ある意味「企業内職人」的な職務に携わっています。そんなこともあって、この本の内容はまさしく、まったく仰るとおりだと、膝をバチン!と叩かんばかりに共感してしまったのです。
そう、そうなんですよね、西岡さん。技術というのは、教わるものではなくて、自分で考え、工夫して、努力して初めて身につくものなんですよね。
そして、木にも人にも「癖」がある。その癖を生かすことが大切で、癖をうまく使うことができれば素晴らしい物、仕事ができる、ということが語られており、なるほどなあと思いました。
これからの少子高齢化の時代の我が国。ありとあらゆる職場で、ベテラン勢がこの本に書かれているような心構えで若手に智恵と技を伝えていくことが大切なのではないですかね。
そのためには、はやベテラン勢の側に入ってしまった感のある不肖この私も、緩みがちなネジをより一層巻きなおしてがんばらねば・・・
日本建築の素晴らしい伝統文化についても語られ、改めて我が国の歴史を思い返しました。著者は、飛鳥時代の木造建築の、あまりに理にかなった適材適所な配材に先人の智恵を感じ、とてもその時代の人たちにはかなわないと述べています。
昔の人もすごかったんだなあ。オイラもすご~く癖のある人間だとは自覚しているけれども、何とかこのヘンテコな人格を有効活用できないものかな・・・
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