「黒部源流山小屋暮らし」 ／ やまとけいこ

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2021-03-27 06:39:00

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今日は「黒部源流山小屋暮らし」という本について。

黒部源流山小屋暮らし／やまとけいこ

この本は山仲間から貸してもらった

山小屋を利用したり、泊まったりしたことがある人なら誰でもそんなところでの生活に憧れを抱いたことがあるのではないだろうか。著者はそれを実現した方

10年以上に渡り、毎年薬師沢小屋で登山シーズンになると働いている。その著者による、薬師沢を取り巻く様々な歴史やエピソードについて、柔らかいタッチのイラストとともに書かれている

私がへえ、と思ったのは、とにかくいろんな動物に食料を食べられまくってしまうということ。小屋空けの時には小屋が閉まっているうちに動物に入られ、小屋が開いている時にはネズミやヤマネに食べられる

ハイシーズンの激混みや、食料が足りなくなりそうになったり苦労はあるが、たまの空いた時間にはイワナ釣りに出かける。こんな生活に憧れる人も多いだろう

私は2013年の８月に３泊４日で折立→雲ノ平→新穂高と歩いた初日の宿にこの薬師沢小屋を利用した。そのときの日記はこちら。以下、その時の写真を少々

この本によれば私が訪れたときも著者はおられたはずで、夕食の盛りつけももしかすると著者がしてくれたのかもしれない

私が今、この小屋周辺で歩いてみたいと思っているのは、この本にも出てくる「赤木沢」。黒部源流の美渓・名渓で沢登りのメッカとなっている。一番のシーズンは水量の少なくなる秋なんだそうだ。私も今シーズン行けたらなぁと、ぼんやり構想を描いている

本の最後で、小屋を閉めるためにクサリ場のクサリを外しに出かけたときの文章を引用します

「しばらくぼんやりしたあと、お弁当の包みを片づけ、ゆっくりと歩き始める。立ち止まるたびに、ありがとう、ってお礼をいう。黒部の神様、ありがとう。イワナさん、ありがとう。小屋のみんなも、お客さんも、みんなみんなありがとう、っていう。私がここにいることができるのも、いさせてもらえるのも、ひとつひとつの事柄や、感謝の蓄積なのだなと思う。今シーズンもまた、世界で一番好きな場所に暮らすことができた、その幸運に感謝する。」

憧れはしてもなかなかできない山小屋暮らし。それをこんな本に書き残すことのできる人生は素敵だよなあと、遠い目で黒部源流を思いやってみる

黒部源流山小屋暮らし／やまとけいこ

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