息子と北岳へ〜届かなかったあの夏のリベンジ山行記 (3日目)


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2018年8月2~4日、山梨県の南アルプス市にある北岳(きただけ:3192.5m)に行ってきました。

 8/4 (3日目)の日記です。 1日目  2日目

 コースタイム (休憩込み): 北岳山頂(5時間10分)広河原山荘



当日歩いたルートのポイントです。



8月4日、3日目の朝。


夜中に何度も目が覚めたものの、まずまずよく眠れた。頭痛もまったくない。



ところが、息子は頭の奥がひどく痛いという。完全に高山病だ。



私はすっかり回復し、朝食も完食。しかし、息子は汁物に少し手をつけたのみで食べられない。
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朝食後、外に出てみる。


雲海に浮かぶ富士山。きっとあの富士山の山頂にも大勢人がいることだろう、ナウ。
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息子は頭痛がひどく、「早く行こう」と急かされる。


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昭和大学の診療所にも寄らず、一刻も早く山を下りることにする。
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サラバ北岳山荘。我が家はどうもここに来ると具合が悪くなる。
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苦しみながらも歩いて行く息子。しばらくは登りで、やや標高が上がることになる。「下がれば絶対楽になるから」と励ましながら行く。
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昇る朝日を正面から受ける。
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数分歩いては頭痛で動けなくなる。 「あ~、頭いてえ」 前回とまったく同じ展開。
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下がれば絶対楽になるからと、声をかけながら後ろからついていく。



すると、


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ブロッケンだ! 朝日を浴びて、すぐ後ろにガスがあるからこうなる。


だが息子はそれどころではない様子。



やっと八本歯のコルへの分岐に。このトラバース道もハシゴの上り下りがあったりしてなかなか厄介。
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八本歯のコルとのトラバース道は陽当たりもよく、お花畑となっていました。息子が歩いては止まるので、その合間に撮影。



タカネイブキボウフウ。セリ科の植物はほんとに紛らわしい。赤い蕾は開花前のもので、これが白い花に変わるとのこと。
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タカネナデシコとミネウスユキソウ。
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これも初めて見る植物、キタダケヨモギ。
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見上げる。北岳の岩肌。
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キンロバイ
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数分歩いては頭痛で動けなくなるムスコ。右に落ちないよう気をつけろと声をかける。
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タカネグンナイフウロ
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間ノ岳が全容を見せた。
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キタダケトリカブト
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イブキトラノオ
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ハシゴの上り下りは慎重に。
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「北岳山荘より高いじゃん。だっる。あ~~頭いてえ。くっそ~」



「下りれば楽になるから。あとは下るだけだから」



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北岳山荘望遠。まだあそこより高いところにいます。
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やっとトラバース道終わり。
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ここからはもう下るだけ。
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八本歯のコルへと岩場を下って行きます。芦安の駐車場で受付のお姉さんに、「八本歯のコルは、下りでは使わないでください」と言われました。ハシゴの落下事故があったのだそうです。しかし、息子はもう北岳を登り返すのは無理。仕方なく最短ルートの八本歯のコルを下ります。
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「あ~~ 頭痛いな~  なんでこんなにだるいんだろ」



「下がってるから、もう少しだから」



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この岩場ゾーンは濡れていると滑るとのことで要注意とか。
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右には間ノ岳をずっと見ながら。昨日行っといてよかった。
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お、タカネビランジです。北アルプスではあまり見かけない花がちらほら見られてよかったです。
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大樺沢(おおかんばさわ)の雪渓も、今年の猛暑のせいでしょうか少なくなっていました。これからあの脇を通ります。
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北岳の東側斜面、通称「バットレス」。
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そして、このハシゴが今年も落下事故があったという危険なハシゴ。慎重に下りるよう指示。確かに長いハシゴですが、ゆっくり慎重に動けば問題ないと思います。
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そして八本歯のコルに到着です。ここから左に急降下していきます。

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(全然頭痛が治らないというムスコ)



ここで間ノ岳とはお別れ。サラバ!
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オンタデ
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ここからは植物帯を急降下していきます。すると、、、
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「あれ? 頭が治った」



なんと、あっという間に頭痛が消えたようだ。植物がある分、酸素が豊富だからだろうか。八本歯のコルから下がったら元気になり始めたのも前回と一緒。



とにかく息子が元気を取り戻してホッとする。



そして、ホッとしたところでアクシデントが起こる。



なんと、




私が登山道を踏み外して右の谷に落下。




これは落ちたところを振り返ったところ。こちらの写真の、2人の登山者脇の斜面に2mほどだろうか、登山道を踏み外して落っこちてしまった。こんなのは初めてだ。灌木に乗る形になったのでケガはまったくなかったものの、焦った。油断大敵雨あられ。
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「パパ、木に乗って宙に浮いてたよ」

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北岳バットレスを眺める。
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すると、どうもあの岩壁に人が貼り付いているように見える。

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わかりますか?
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これならどうでしょう? 3人見えます。
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あんなとこも、経験と装備があれば行けるんですな。クライミングの世界ですが、高所恐怖症の私にゃとってもムリ。



そしてまた下って行くと、白人の男性とすれ違った。
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どこから来たのか訊いてみる(山で外人を見るとつい声をかけてしまう)



すると、




Barcerlona」




だと言うではないか。おお~、バルセロナ、スペイン人か。以下「バル男」



すると、



バル男「Do you know Messi? Iniesta?



と訊いてくる。サッカー好きな息子が「Yes!」と答える。



イニエスタは明日神戸に来るとのこと。いったんスペインに帰国していたが、また戻って来るらしい。そして、この男性は2週間後に、彼の友人を通じてイニエスタに会うのだそうだ。



バル男「これが北岳?」



そうだと答えると、彼に頼まれ、北岳バットレスをバックに彼の写真を撮ってあげた。



バル男「富士山はどっちの方角に見える?



B「あっちですよ」



バル男「見えましたか?」



B「朝は見えましたけどね」



バル男「今は雲ってるかも?」



B「そうですね」



お互いに「いい旅を!」と言って別れた。



大樺沢の上部に出ました。
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ミソガワソウだらけ。
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そしてこのあたりで、北岳山荘での忘れ物に気づいた。



わちゃ~、




昼飯の弁当もらってくるの忘れた@1000円




朝食後に食券と引き換えだったのだが、朝から息子に「早く行こうよ!」と急かされて、アタマから飛んでいた。



「弁当取りに戻るか?」



「そんなわけないっしょ」



登ってゆく人。
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これはタカネツメクサでもイワツメクサでもないしちょっと違うな~と思って調べたら、ミヤマミミナグサという花でした。これも初めて見た。
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頭の芯がやや痛むものの、ひどい頭痛はすっかりよくなった様子。
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斜面に広がるお花畑。北岳山麓はホントに花が豊富。
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キオンとヤマホタルブクロ。
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徐々に登山者も増えて来た。
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ミヤマハナシノブ。これも初めて見る花。白根御池小屋の部屋の名前は「ミヤマハナシノブ」でした。
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ミヤママンネングサ
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タカネグンナイフウロ
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ミヤマハナシノブとタカネグンナイフウロが競って咲く登山道でした。
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どんどん登って来る。
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グローブはミレーの今シーズンのモデル(こちら)。薄くて軽快。
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もちろんスマホタッチ対応。操作性もグッド。手のひらは滑り止め加工。いいグローブです。
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二俣に来ました。思ったより遠かった。
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二俣より見上げる北岳の岩肌。
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公衆トイレが設置されているので立ち寄りました。
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ここからは徐々に樹林帯に入って行きます。
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何度か渡渉を繰り返します。
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登って来る登山ツアーとの渋滞待ちも。
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大樺沢を渡る。
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涼し気な流れ。
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ジャコウソウ
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大樺沢の清流の脇を歩く気持ちいい道。
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白根御池小屋との分岐に戻って来ました。
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あとは林の中をちょいと下って、
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広河原に到着~
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冷たい炭酸が欲しい。ペプシがあった。
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吊り橋を渡って戻る。
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タクシーで芦安の駐車場まで戻って来ました。3日ぶりの風呂で山の汚れを落とします。いや~ 気持ちよか~?
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息子は下山の途中から、



「きじ鍋が食いたい きじ鍋が食いたい」



などと抜かす。以前登山かキャンプの帰りに山梨できじ鍋を食べたのを覚えていたらしい。そういやそんなこともあったっけか。



スマホで調べたが、近くにきじ鍋屋はない模様。



ならば山梨の名物を食って帰ろうではないか。



ってなことでやって来ました、甲斐市にあるほうとう屋さんです。
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小作という、チェーン店のほうとう屋さんです。お客さんはほとんど県外ナンバー。
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中に入ると巨大な古民家風。旅情をそそるいい雰囲気。



2人とも「かも肉ほうとう」を注文。
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かも肉ほうとう、着丼です。
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さすがにこのうどんに、しょうもない小細工をするアイテムは持って来てません。



いただきまーす♪
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大ぶりの具がたっぷりと入っていて大満足でありました。



そして息子を塩崎駅に送り届け、ツアー終了。
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それでは最後に、よろしければ合唱曲「雲の指標」をお聴きください。




6年越しの夏休みの宿題が終わりました。北岳に登ることはできたけれど、まったく美しい山行とは程遠かった。それも我が家らしくていいかも。でもまたいつか、高山病にならぬ完全制覇を目指したい。新しい課題ができました。


息子は「来年は北アルプスもいいかな~」なんて言っていました。さて、どうなりますか。


それでは今回まとめの一句:

北岳は ゆっくり登らな いかんぜよ


次点: 

高山病 体質どうにも なりません





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コメント

2666. 去年6年越しの登頂お疲れ様でした(^.^)

北岳バットレスの大岩壁…アレを左から巻くか
右から巻くかで二俣に分かれ道なのですよね^^;

高山病は、標高が高いと酸素濃度が低くなるのも影響してるんですかねぇ。。以前、富士登山
の同行者が、スプレー型の「酸素ボンベ?」を
持参してたけども気休めにはなるのかなぁ?

☆ヘリウムガスだと…ドナルドダックの甲高い
声になるバラエティグッズを連想して、自分は
使ったこと無いのですけれども(^.^)
  • 2018-08-12 17:53
  • DDH185 ひろかず
  • URL
  • 編集

2668. 

続けてこんばんは、B・Yさん!

あちゃ~、息子さん大丈夫かと思ったら、まさかまさかの高山病再発(--;
うぅぅ、辛かったことでしょう(涙)
高山病は空気が薄くなる場所でなるものなので、山荘についてもすぐには休まず、深呼吸をしたり人と喋ってりして、とにかく体内に酸素を取り込むのがいいそうです。
あと、指先に火を灯しているイメージで、その火が揺らぐように肺の空気を吐ききるまで息を吹きかけると、大きく息を吸い込んで、高山病の予防になるそうです。
しっかり吸うには、まず息を吐き切ること、ですって!
私も高所で休憩中にやってみます(^^

ミヤマハナシノブ!
私、この花の少し藤色がかった青が大好きです!
優しい色と形をしていますよね(^^
ホント、高山植物って人の手が入っていないのに、とても素敵な色や形をしていて、どれだけ見ても飽きません♪

小作のほうとう、美味しいですよね~!
うちも山梨に行くと必ず寄ります(^^
以前は、ほうとうを食べに山梨に行ったことがあるくらい、好きです(笑)
  • 2018-08-12 18:46
  • URL
  • 編集

2669. Re: 去年6年越しの登頂お疲れ様でした(^.^)

ひろかずさんこんばんは~

右俣コースを歩いたことがないので下りで歩いてみたかったのですがかないませんでした。またいつかですね。

酸素ガスもあればいいかな~とは思いましたが持っては行きませんでした。白根御池小屋で前泊すれば大丈夫だと思ったんですけどねぇ。やっぱり体質のせいかな~~
  • 2018-08-12 20:13
  • B・Y
  • URL
  • 編集

2671. Re: タイトルなし

悠さん続いてこんばんは!

いや~、息子がまたあれほどダメになるとは。前回とまったく変わらぬ展開に、やっぱり「体質なのかも」という思いを新たにしましたね。

山荘についてもすぐに休まずおしゃべりなどして、、、というのは、わかってるんです。でもできなかったんですよねぇ(遠い目) それから、呼吸法は初めて聞く話でした。覚えておきます。

ミヤマハナシノブはたくさん咲いていましたが、初めて見ました。調べてみたら、北アルプスの清水岳と、北岳、鳳凰三山にしかないらしいではないですか。どおりで初めて気づいたわけです。前回はそんなことには気づかなかったと思うので。今回も初めて見る花が多く、楽しかったです。無知も楽しいですね。

それから、小作はよく行かれるのですか(驚!) かも肉ほうとう、実にウマかったですねぇ。ムスコは普通なようでしたが、年を重ねると、ああいう素朴な素材の渾然一体となった煮物の美味しさが身に沁みます。あれはリピートしたくなるお店ですね~~
  • 2018-08-12 20:50
  • B・Y
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