美術の核心2(紅白梅図屏風とMOA美術館)

前回の日記からの続き。


二つ目は尾形光琳の描いた「紅白梅図屏風」について。この絵は、私は知りませんでした。


まずはじっくりとこの絵を隅々までご覧いただきたいのです。





そこには何が、どんな色で、どのように描かれていたでしょうか。


私には、ただの川と梅の木が描かれている、どこかで見たような日本画にしか見えませんでした。




ところがです。




この絵をプロが解説すると、以下のようになるそうです。


この本の著者で、京都造形芸術大学学長、千住博氏の解説を、この本から一部抜粋させていただきます。ちょっと長いですが。



     --------------------------------

   日本美術には様々な魅力あふれる作品があります。その中で、ただ一作だけ好きな作品

  を選び出し推薦するとなると、私は迷わず尾形光琳の描いた「紅白梅図屏風」をあげます。

  「紅白梅図屏風」には、絵画の究極の到達点があります。しかもそこには、光琳自身の人間

  ドラマが織り込まれていて、かつその主題や技法は基本的には謎に包まれています。

   毎年二月の梅の季節に、「紅白梅図屏風」は収蔵されているMOA美術館できわめて限

  られた日数のみ展示されます。国宝に指定されているので、展示期間に制限があるためです。

   私はこの十年、ほぼ毎年鑑賞しに出かけているのですが、毎度のことながら、その作品は

  圧倒的に美しく、きれいだと感じます。美しいとは五感に訴えかけてくるような包み込まれる

  空気感ですし、きれいとはきれいに片付いているという意味です。徹底的に整理されている

  にもかかわらず、依然混沌を抱え込んだまま謎に満ちているという感じは、私はこの作品以外、

  未だ人類の生み出した芸術作品の中で見たことがありません。換言すれば、それは胸騒ぎを

  呼ぶような、官能に訴えてくる画面にもかかわらず、絶対的な静けさを保っているのです。


  [中略]


   明と暗の対比、梅の静に対し流水の動、写実な梅に対し抽象の河、と様々な両義性をかねそ

  なえた画面は、人間が理知とエロス、善と悪、貞淑と背徳を表裏に併せ持つ矛盾した生き物で

  あることをも表そうとしています。

  
  [中略]


   ここには抽象もなければ具象もありません。全ての境界を超えた、人間普遍のドラマを自然

  に託して描いた究極の絵画です。人生を描き、心の暗部にまでふみ込み、しかし美しく端正な

  姿として人をとらえつづける姿勢は終始変わらず、画面には花々が咲き河が流れ続ける、まさ

  に現世であると同時に彼岸の風景でもあります。この華やかで清楚、しかし同時にこれ以上な

  いくらいエロスに満ちた混沌を中心に抱え込む光琳の「紅白梅図屏風」こそ、日本を超えて人

  類の絵画芸術の究極の到達点であると私は思っています。

     --------------------------------




ふ~ん。そうか、人間の二面性にも通じるのか。そういう意味では、池波正太郎の本のセリフで出てくるフレーズの、


  「人間は、いいことをしつつ、悪いこともする。悪いことをしつつ、いいこともする。」


なんて言葉が思い起こされますな。




それにしても、そんなにすごい絵なのか(専門家の言うことにはすぐ影響されるタイプなのです)。



それに、毎年2月頃しか一般公開していないと。試しにMOA美術館のサイトを見たら、折り良くまだ公開中じゃないの。


よ~し!そんなすごいものなら、なんとしてもこの目で現物を見なければ!(いったん興味の火がつくと、行動せずにはいられない困った性分なのです)


というわけで先週末、熱海にあるMOA美術館までひとっ走り行ってきました。












紅白梅図屏風の実物は、写真なんかで見るよりも色褪せている感じで拍子抜けしてしまったのですが、まあ事前に講釈を踏まえて見に行ったので、やっぱりそれなりの感動はありました。ただ、エロスは・・・?




その後この日記を書くためにネットでいろいろ調べてみたら、千住博という人はMOAの美術賞を何度も取ったり、そういえばMOA美術館には千住氏の作品があったりしたし、実はMOAの回し者?というかセールスマン?だったのかしらという気がしてきたりもしました。


でもまあ確かにいい作品は多数ありましたし、本音のところ、丸1日かけてじっくり見たいくらいの作品群だったのですが、子供も飽きてしまったので、後ろ髪ひかれつつ立ち去らざるを得ませんでした。


ああそれから、MOA美術館の創設者は世界救世教という新興宗教の教祖らしいですが、私は無宗教ですし、美術館自体は宗教臭さはありませんでしたので念のため申し添えます。

美術の核心


最近、ちょっと美術に興味があります。気取っているわけじゃあないのですが。


昔の人が残した絵画や彫刻などの美術作品の背後には、どのような時代背景・社会背景があったのか。また、それらの作品を残した人たちは、どのような気持ちでそうしたものを創造したのか、ということに関心が湧くのです。


そして先日、表題の美術の核心(千住博 著)という本を図書館から借りてきて読んでみました。美術への取っ掛かりというか、入門的な本として新聞の広告欄に紹介されていたからです。


新書ですから多少硬めな文章ではありますが、美術の専門用語をあまり用いずに、その魅力や楽しみ方について、古今東西多種多様な文化、歴史を交えながら書かれていました。


Amazonの書評を見ると、美術専門の人には物足りない内容のようですが、まったく美術についての知識はないに等しいワタシ的には十分面白かったです。奥深い美術世界の広がりを感じることができ、人生の楽しみの範疇が広がったことをこの本に感謝しています。いや~、これはすごい趣味の鉱脈を掘り当ててしまったのかもしれない。


この本の中で特に印象に残った項を2つ書きたいと思います。


一つ目は、、ミレーについて。


ミレーといえば、「落穂拾い」が有名です。誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。あの絵は名画として後世に残る作品となっています。ミレーはあのような農村風景を描いた作品を多数残しました。


しかし、よくよく考えてみると、あのようなヨーロッパの田舎の風景を描いただけの絵が、なぜ歴史的な名画とされているのでしょうか。その理由を、ごく簡単にまとめるとこういうことらしいです。


ミレーが活躍したのは19世紀半ばから後半にかけてですが、ヨーロッパにおいてはそれ以前、絵画の対象として描かれるのは宗教画や神話・歴史画、あるいは王侯貴族の美化された肖像画などしかなかったんだそうです。


それまでは美化するに値しないと思われていた一般庶民の姿や田舎の風景を主題として描く、すなわち「風景画」というジャンルを生み出したのがミレーたちなんだそうです。それ以前の絵画における風景は、宗教画や神話・歴史画のあくまで「背景」に過ぎなかったんだそうです。


ヨーロッパ世界において、ほんの百数十年前まで自由に風景画を描くという文化がなかったことがオドロキでした。


ミレーたちが環境保護活動や芸術活動を行ったフランスの村の名前から、彼らの運動はバルビゾン派と呼ばれているそうです。




二つ目は、尾形光琳の「紅白梅図屏風」というものについてなのですが、それについては次の日記に書きたいと思います。

タイム・トゥ・セイ・グッドバイ/サラ・ブライトマン


最近テレビで世界卓球2008中国のCMが流れていて、愛ちゃんの映像とともにBGMで流れているのがサラ・ブライトマンの「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」です。


昨年の秋ごろ、たまたまネットでこのアルバムの評判がいいのをみかけ、借りてきて聴いてみました。「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」はアルバムの1曲目です。ああ、この曲かと思いました。でもフルで1曲聴くのは初めてでした。


やはり評判どおり、曲もいいし、神々しいばかりの素晴らしい美声。聴いているとなんだか天に召されそうな気分になってきます(アブナイですね)。


このアルバム、他にも何曲かいいのもあるんですが、もうこの「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」が、図抜けて出色の出来映えなんで、一時はもうこればっかしヘビローで聴いてました。


最近は聴いてませんでしたが、久々に引っ張り出して聴いてみると・・・











             あ”~ 天に召されそ~ たまんね~ ♪ 







Amazonのタイム・トゥ・セイ・グッドバイのページはこちらです。

防水デジカメ


先日、日経新聞の広告でオリンパスの新しいデジカメの宣伝が出ていて、読んでみたら私の持っている防水デジカメの後継機種でした。μ(ミュー)1030SWというのが3月に発売されるそうです。オリンパスのデジカメサイトはこちら


私の持っているのはμ(ミュー)770SWという機種で、去年の7月に購入しました。水深10m防水で、マイナス10度でも使用可。そして衝撃にも強いということで、アウトドア派の私にはもってこいでした。


先日の新聞の紹介記事にも、


    「冬はスキー場、夏は海」と、活躍の幅が広く、アウトドアに趣味を持つ人に重宝されそう


と書かれていましたが、まさにそのとおりのデジカメです。



購入してからこのデジカメで撮った写真が下のものです。


こちらは昨年の夏、沖縄に行ったときのもの。シュノーケリングツアーに行きました。















本当にこのデジカメ本体をそのまま海中に入れて大丈夫なのか?と、最初は半信半疑でしたが、そのままドボンと入れても大丈夫です。ただ、バッテリーの開閉部などはしっかりと閉める必要があります。

さすがに海中は光も弱まるので明るくは撮れませんが、まあ雰囲気はキャッチできますかね。海中でのフラッシュも使えます。


以下の2枚は青の洞窟入り口と、洞窟内部の海中にて撮影したもの。







海中で使用した後は真水につけて塩を落とすだけで十分です。


もちろん普通の写真もちゃんと撮れます。












お次はスキー場での写真。昨年末、苗場で撮影しました。











防水なんで雪などで濡れるのを気にしなくてもいいですし、低温でもちゃんと作動してくれました。




私はかつて海で釣りをしている時にデジカメを海水に水没させてダメにしたことがあるのですが(その日記はこちら)、まだその頃はこんなデジカメはありませんでした。技術は日々進化していくのですね。


まさしく夏も冬も活躍してくれるコンパクトなデジカメμ(ミュー)シリーズ、オススメですよ!


B型献血哀愁流れ旅


献血の場におけるちょっとおかしな傾向を見つけ、レポートとして下記にまとめましたので、よろしければごらんください。


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